つくばマラソンとの出会い
『つくばマラソンのボランティアやろうぜ?』
今から14年前。当時高校1年生だった私は所属していた野球部を辞め、毎日退屈な日々を送っていた。
毎日白球を追い掛ける日々に飽きてしまい、
(せっかくの高校生活がこれで終わっていいのか?)
と思うようになり10月末で野球部を退部した。
これからは華やかな高校生活だ。と心踊っていたのだが、現実はそんなものじゃなかった。
毎日学校が終わったら家に直帰して、特にやることも無くダラダラ過ごす日々。思い描いていた高校生活とは真逆の生活を送っていたのだ。
そんな私を見兼ねてか、同じクラスの陸上部の友人が突然こう話しかけてきた。
友人『なぁ、つくばマラソンのボランティアやろうぜ?』
雪だるま『え?なにそれ?つくばでマラソン大会なんてやってるの?』
友人『お前つくば市民なのに知らないのかよ。来週の日曜日につくばでマラソン大会があるんだよ。陸上部でそのマラソン大会のボランティアやるんだけど、人が足りなくてさ。』
雪だるま『えーめんどくさそうだからパス、』
友人『そう言うなってー。お弁当が貰えるんだけど美味しいらしいぜ?』
雪だるま『え?お弁当貰えるの?じゃあどうせ暇だし行こうかな?』
友人『そうこなくっちゃな。じゃあ詳細はメールで連絡するわ』
こうしてつくばマラソンのボランティアをやる事になり、事前に当日の流れなどを友人と打合せして準備を進めていった。
最初はボランティアをやることに乗り気では無かったが、打合せをしていくうちにマラソン当日が楽しみになっていった。
きっと毎日退屈な日々を送っていた中で、突然やることが出来たからであろう。
当時はマラソンに興味があった訳では無いが、
(どんな人が走るんだろう)
(フルマラソンって事は42キロか、めっちゃ長いな)
なんて事を考えているうちにマラソンにも興味を持ち始めていたのかも知れない。
そして迎えたつくばマラソン当日。
取り立ての原付免許を財布に入れ、中古の安いバイクで集合場所の筑波大学まで向かう。家から20分の道のりだ。
集合場所に着くと陸上部の皆が集まっている。
だが集まっているのはみんな同級生だ。なるほど、上級生がボランティアに来ないから人が足りなくなる訳だ。
陸上部と合流して、ボランティア内容の説明を聞く。私達に任されたのは給水であった。
そこからバスでそれぞれのボランティア場所に向かう。私達が向かったのは秀英高校の前の給水所。スタートから27キロ、28キロくらいであろうか。
着いたらさっそく給水の準備を始める。
たくさんの紙コップにスポーツドリンクを入れ、机いっぱいに並べ終わって準備万端だ。
そこからランナーさんが来るまでは陸上部の方々と会話をしながら寒い中ひたすら待った。
しばらく会話しながら待っていたら、周りのボランティアの方々がざわつき始めた。そう、遠くに最初のランナーが見えたのである。
そして目の前を通り過ぎていくランナー。汗だくで呼吸は乱れていたが、足取りは軽くあっという間に通り過ぎていった。
(す、すごいな、、)
そのランナーのスピード、迫力、軽快さに圧倒されてボーっとしていると、すぐに2位争いの集団がきた。
そこからはよく覚えていない。たくさんのランナーさんが給水を取っていき、私も必死にコップに水を注いでいたであろう。
気づいたら数時間が経過しており、ランナーさんもまばらになってきて、リタイヤするランナーさんを回収するバスも走り始めていた。
しばらくするとボランティア終了の連絡がきた。給水のドリンクやら、机やらを片付けて、バスで筑波大学の会場に帰る。
バスが筑波大学に到着すると、ゴール目前のランナーさん達がまた走っていた。
(こんなにたくさん走らないと完走できないのか、、)
(なんでこんなにキツイのに走るんだろう、、)
(俺には絶対に無理だな、、)
ゴール直前のランナーさん達を見て、こんな事を思っていた気がする。
そして無事にボランティアが終了して、陸上部の人達とも解散する時が来たのだか、最後に私から、ボランティアに誘ってくれた友人にこんな話をした事を覚えている。
雪だるま『来年もまたつくばマラソンのボランティアやろうぜ!』
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それから1年後。残念ながらつくばマラソンのボランティアをする事は無かった。
誘ってくれた友人が陸上部を退部していたのだ。
他の陸上部の同級生も2年生になり、マラソンのボランティアは下級生に任せてしまっていたのである。
ボランティアに参加する事を楽しみにしていたのでとても残念だった。
しばらく落ち込んでいると、あることに気づいた。
(そうか!ボランティアに参加出来ないのであれば、ランナーさんを応援すればいいのか!!)
私の実家からつくばマラソンのコースまでは徒歩5分くらいで着く。
そしてつくばマラソン当日になると、母親と一緒に沿道でランナーさんを応援した。
走っているランナーさん皆が必死に走っている姿はとても輝いて見えた。
高校生最後の年である18歳になっても、去年と同じようにつくばマラソンのコースでランナーさんを応援した。
19歳から22歳の4年間は茨城県外へ出てしまったのだが、23歳の就職時に縁があってまたつくばの土地に帰省することになった。
それから数年して、日頃の運動不足を改善したくてランニングをスタートする。
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それからさらに数年。
まさか私がつくばマラソンを走る事になるとは、高校生の私が知ったらびっくりするであろう。
そんな事を思いながら走った去年のつくばマラソン。
最後に両脚が攣りそうになりながらも何とか完走。
タイムは3時間31分。あと少しでサブ3.5を逃してしまった、、
今年は去年のリベンジをしなければいけない。
つくばマラソン主催者の方々、沿道で応援してくれる方々、そしてボランティアをしてくれている方々みんなに感謝しながら、
生まれ育った土地であるこのつくばマラソンで自己ベストの大幅更新を狙いたい。
終わり。